教育現場における予防を重視した多層型支援システム(MTSS)について
今回は多層型支援システム(MTSS)について、簡単に紹介したいと思います。教育現場におけるMTSSは、一言でいうと事後対応よりも予防を重視した支援の枠組みのことです。 * 支援の段階を多層的に考える! * MTSS(多層型支援システム;Multi-Tiered System of Support)は、上図のように、支援の段階を3層構造で捉えるところが特徴的です。 ざっとそれぞれの層の役割を説明すると…… 第1層では、学校の児童生徒全員を対象とした支援を行います。 第2層では、第1層だけで解決しない問題について、小集団や個別に支援します。 第3層では、さらに密度の高い個別のアセスメントおよび介入を行っていきます。 それぞれの支援についての考え方自体は、真新しいわけではありませんが、包括的な視点をもたらしてくれるのが、MTSSの良いところです。段階に応じて、支援を柔軟に変えていくという発想が、MTSSの本質的な部分です。 * MTSSの成り立ちは? * MTSSは、「ある年に突然できた制度」というよりは、従来から取り組まれてきた学習支援、行動支援、メ
2 日前
学校で問題が起こったときのフローについて
学校で不登校やいじめ、精神的不調などの問題が発生したときに、 どういったフローが望ましいのか、フローを進めるうえでは何が必要なのか、 考えてみたいと思います。 * 学校での問題発生時のフローについて * さっそくですが、上図は、私が想定している学校における問題発生時の基本的な対応フローです。まずは、この流れを簡潔に整理しつつ、各段階のポイントを押さえていきます! 1.問題発生 「問題」と一口に言っても、周囲から見て明らかなものもあれば、気づかれにくいものもあります。とくに、本人の自覚が乏しく、周囲も困り感を抱いていない場合には、表面化しないまま問題が進行していることも少なくありません。 2.発見 こうした潜在的な問題に対応するうえで鍵となるのが「 発見 」です。発見は、当事者の訴えによる場合と、周囲の観察による場合の双方があり得ますが、いずれにしても「 いかに早期に気づけるか 」が重要です。 早期発見で大事なのは、当事者が安心して相談できる大人(保護者・教員・専門職など)の存在です。相談先が身近にない場合、発見は遅れがちになります。そのため、日常
3月20日
学校の多職種連携の課題と展望!
今回も文献紹介で、学校における多職種連携の課題と展望について、 あれこれ考えてみたいと思います。 紹介する論文 小田郁予(2022).学校における多職種連携研究の課題と展望―連携概念の定義と連携研究を捉える視点.東京大学大学院教育学研究科紀要,61, pp . 353-364. * 概念定義が曖昧な「学校における多職種連携」 * 本論の書き出しは、ここから始まっています。まずは曖昧な定義からスタートして、運用していく中で整備していく流れは、良いか悪いかは別として、日本の文化的な特徴だと感じます。 台湾のSCシステムとの国際比較 でも、役割の明文化に大きな違いがあることが分かりました。 以前の記事 で多職種連携についてふれましたが、多職種連携の効果として、子どもの支援だけでなく、教員の業務負担軽減や、医療×教育の橋渡しなど、様々な効果が期待されています。あるいはそれゆえに、定義しにくいのかもしれません。 何というか、 連携すればすべての問題は解決する と思っているとしたら、それはだいぶ違う気がします。 * 一見複雑に見えるけど、やっぱり複雑な学校現
2025年11月14日



















